“Three Billboards Outside Ebbing Missouri” をやっと観ることができました。
アカデミー賞の賞取り合戦の中にある映画です。
ミゾーリ州の小さな町の、あまりぱっとしない道沿いにあるビルボード(看板)に、
強姦殺人の被害者になった娘の犯人がつかまらないことに憤りを感じた母親が、
警察署長に「まだ解決できないのか?!」と呼びかける言葉を広告します。
黒人を追いかけ回して責めてばかりいて、肝心の凶悪犯罪は放ったらかしで。。。
もちろん、町中に物議をかもし出します。
警察署長は、とても人望が厚く、人々から慕われています。
しかも、彼はがんの末期。余命が少ししか残されていません。
ビルボードがデカデカと出たとき、署長は、
「俺は、もう癌で長くないんだ。。。」(だから頼む、こういうことはやめてほしい)
みたいなことを主人公にほのめかします。
「だから? 」
主人公は、ぴしゃりと突っぱねます。
主人公は、ぴしゃりと突っぱねます。
three billboards outside ebbing missouri trailer
この映画に出てくる主な登場人物たちは、警察署長、ビルボードを出した主人公の女性、
そして、署長を慕っているけれど、今ひとついただけない単細胞で人種差別主義者で、短気な警官。
この三人が、何やかやとすったもんだしながら、人として良い方向に変わっていきます。
主人公の女性、署長を慕う、今ひとつピントが外れている警官、この2人は、
すぐカッとしてしまい、暴走するタイプ。決してご立派でもなんでもありません。
殺された娘にとっても、決して理想的な母親であったわけではありません。
名指しされた署長は、事件の解決に難航している状態と真摯に向かい合い始めます。
でも、警察署は使えない感じの警官ばかり。。。
そして、刻々と迫る自分の最期の時。。。
署長は、自分の死とともに、二人にメッセージを 残します。
乱暴なことばかり立て続きますが、最後、怒る魂が静まり、
二人はごく普通の人間性を取り戻していきます。
二人はごく普通の人間性を取り戻していきます。
あ、この二人、救われたな、と感じる救いのような余韻がこの映画の魅力です。
ビルボードで名指しで批判された警察署の所長さんは、
追及された「主人公の娘殺しの犯人逮捕」はかないませんでしたが、
2人の怒りに囚われた人間の魂を救ったのでした。
下は、映画にちなんでちょいと描いた主人公の像。
映画も、下の主役の女優さんも、警察署長、警官役の俳優さんたちも、
今年のアカデミー賞にノミネートされております。つまり主な3人全て。
—-主演女優賞、助演男優賞、両方取りましたから、うん、やっぱりね、と嬉しい。
何気なく観に入って、不思議な面白さを感じた「Get Out」もノミネートされており、
ちょっと嬉しいです。
「Get Out」投稿 http://www.americanikki.com/search?q=Get+
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