7/09/2015

2015 Monarch Butterfly モナーク・バタフライ ー別れーまた会う日まで

モナークと呼ばれる蝶の面白い生態を知ったのは、
お向かいの奥さんと親しくなったことがきっかけです。


MONARCH BUTTERFLY  on my daughter's finger       -08/18/2011
娘の指にとまる、サナギから出たてのモナーク・バタフライ
これまでのモナーク・バタフライの投稿。
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その、お向かいのご夫妻が、この夏、大急ぎで引越していきました。
本人たちも驚くほど、急な展開でした。

ご夫婦の娘さんの子供たち(孫)が小さい頃は、
夏休み中ずっとあずかって、それはもう大忙しでしたが、
もう上の子は高校生、下の子は私の息子と同じミドルスクールです。
2年ほど前から、お孫さんたちはあまりお向かいの家に来なくなりました。
学校の友達とのアクティビティの方が忙しく、優先されるようになったからです。

「私たちのここでの役目は、もう終わったと思うの」


もう一つの理由がMonarch Butterfly、モナークです。
お孫さんたちの足が遠のいたのとほとんど同じタイミングで、
やはり2、3年ほど前から数が激減し、危機状態です。
かつては何百匹も蛹からかえし、蝶をひっきりなしに放していましたが、
ここ2年は一生懸命探しても数匹。。。


せっせとミルクウィードを食べる幼虫。



モナークの幼虫が食べる唯一の植物Milkweed だけが、
ぐんぐん大きく、みっしり育っています。

「もう、ここでは何もやることがない」

奥さんは、会う度にこぼすようになっていました。


びっしり生えているミルクウィード。
花の匂いはうっとりするような甘い匂いです。
蝶が来なくなり、葉を食べる幼虫がほとんどいませんから、葉っぱが減らずたっぷり。

**************

ご夫妻は、元々は、コロラドの人で、リタイア後の家をアリゾナに買って住んでいます。
長年住んだコロラドの家は売りましたが、山の中のキャビンはそのまま維持していて、
毎年、必ず訪れています。娘さんの結婚式はここで行われ、大切な思い出の場所です。

ここミシガンの我が家のお向かいの家は、夏休み、冬休みといった学校がお休みの期間、
孫たちを娘さんから預かり、一緒に過ごすために買った家でした。

私たちが引っ越して来たのは2008年。お向かいはその6年前の2002年。
大雪の真冬のさなか、大急ぎで家を買い、大急ぎで引っ越して来たのでした。

なぜ、そんな事をしたかというと、
初孫が生まれて2,3歳の頃、発達上の問題がある事がわかり、
娘さんがパニック状態になったからです。
娘さんは、下の子を出産したばかり。慣れない土地、ミシガンに引っ越して間もない頃でもあり、
精神的に不安定になる要素が沢山ありました。

ご夫妻の娘さんは、飛び級して普通の子供より早く高校を卒業し、
難関の大学にすいっと入ったとても聡明な女性です。
そんな娘さんにとって、子供の問題は大変なショックでした。
ご主人は医学部の研究者で仕事人間です。
ミシガン大学は競争が激しく、気を抜けません。余裕が全くなし。
子育ての事はすべて彼女の肩にずっしり。
どうやって育てていったら良いのかと、目の前が真っ暗になったのでした。

また、ミシガンの気候は暗いです。
こと、冬は長く、暗く、土地柄も、人もコロラドとはかなり違います。
仕事を諦め、慣れない土地で息子のセラピーに専念する暮らしは八方塞がりだったのでしょう。

娘さんは、お向かいのご夫婦の一人娘です。
困っているたった一人のわが娘と、孫の事を思うと、
ご夫婦はいても立ってもいられないーーー。

アメリカの長い長い夏休みに、子供達を一手に引き受けたのは、
まだ小さな下の子供(女の子)の面倒を見ながら、
上の男の子のセラピーに奮闘する娘さんの息抜きのためでした。


でも、時が流れ、今はすっかり事情が変わってきました。
子供達は成長し、娘さんも子育てのネットワークが広がり、
持ち前の活発で社交的な生活を取り戻しました。
そして、仕事にも復帰。
ですから、娘さんの足もどんどん2人の家から遠のいていっていました。
引っ越して来た当初、毎週末と言っていいくらい来ていたものですが、
ここ数年は、用があると呼ばれて出向く一方です。


アリゾナとミシガンの家、コロラドのキャビンを巡回する生活は慌ただしく、大変です。
留守中の家の管理をいつも手配しています。
州によって税制が違うため、税金の計算もとても複雑です。

航空運賃もどんどん値上がりし、気軽に何回も行ったり来たりがしにくくなってきました。

そして、体調。
ご夫婦共に、交代するように何かしらありました。あっちこっちに移動する生活は、
検査はあっち、手術はこっち、フォローアップはあっち、とつぎはぎです。
医療費の支払い先もバラバラ。。。

そういった事情で、お向かいのご夫婦は、
ここ3年、秋は早めにアリゾナの家に去り、
春になってもミシガンにやって来るのが遅めになってきました。
毎年、クリスマスの時期に戻ってきていたのも一昨年からやめました。
そして2015年の今年、もう初夏という時期に戻って来た時、

「もう、ここを手放して身軽になろうと思う」

と言いました。私もそれがいいと賛成しました。
とても話が合い、近い間柄になっていたので、寂しいですが、それはそれ、これはこれ。
親しくしていますから、どうしてそう思うようになったか痛いほどわかりました。

不動産屋さんを紹介されてから、話が急速に展開しました。
アメリカは、学校の年度の変わり目が夏休みです。
この長い夏休みの間に引っ越す人が多いです。

急げー!

1か月後の7月2日、お向かいのお家はすっかり空っぽになり、
コロラドのキャビン経由でアリゾナのお家に去っていきました。


不動産屋さんの「売り」のサインが寂しい。


我が家の庭にもMilkweed がしっかりと根付き始めました。
お向かいの奥さんから頂いた種がやっと根付いたのです。

でも、肝心のモナークが来ません。

お向かいの庭は、
蝶の保護のために頑張っていた奥さんの足あとがそのまま保存されています。
家のキャラクターとしてそのまま売りに出す事にしたのでした。

Monarch Butterfly  のサポーターであり、興味がある人に家を買って欲しいと願う奥さんは、
上のようなサインを庭に設置しました。

**************

お向かいのご夫婦のアリゾナ州のツーソンの家は、モナーク が立ち寄りません。
モナークの渡りのコースから外れているのです。
アリゾナ州ツーソンの気候は一年中暑く、とても乾燥しています。
フォークのような形で立つ、大きなサボテンがたくさん生えていて、西部劇映画の風景そのものです。
実は西部劇のロケ地として有名で、映画村のような所もあったりします。
ここもコロラドと全く違いますが、雪が降りません! これは大きいです。

モナークは来ませんが、沢山の種類のハミングバード(ハチドリ)がやってきます。

また、ツーソンの空は、乾燥地帯のため雲が少なく、夜空の星がじつによく見えます。

実は、昔、一度だけアリゾナ州のツーソンを訪れた事があります。
NASAの関係のプロジェクトを手がけていた友人を訪ねたのでした。
空が雲に邪魔されないツーソンは、天体観測に最適なのだそうです。
この点も、雲が多く、太陽光線が少ないミシガンと大違いです。

ですから、ご夫妻のツーソンの家の庭には、いつでも星の観測ができるように、
備え付けの大きな天体望遠鏡があり、気軽に夜空の観測を楽しんでいるんだそうです。
もちろん、自然愛好家の奥さんのアイデアです。

ここ、ミシガンでは、寒い冬の間、温かい土地に「避難」する友人が多いです。
この冬は、ツーソンのお家に遊びに行く約束をしました。

昼下がりのワインでおしゃべりという楽しみが無くなり、寂しくなりましたが、
寒いミシガンの冬から避難する親戚みたいな場所が一つできました。

思えば、コロラド、アリゾナ、ミシガンの3か所を巡回して過ごしたご夫婦の13年間は、モナークのようです。
奥さんが、モナークという渡りをする蝶に強く惹かれたのは、自分と重なる部分を感じていたのではと気づきました。

早く家が売れ、肩の荷が降ろせるといいなと願っています。

そして、最後に--- モナーク(Monarch Butterfly) の渡りが戻って来ますように。。。


これまでのモナーク・バタフライの投稿。
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参考
2015  Monarch Butterfly

7/05/2015

絵を描く生活ー 油絵再開

現在進行中


何年かぶりですが、油絵を再び描き始めています。
絵を始めて6年目。3年目に入ったくらいの頃、1年ほどやって、
室内にこもる冬に中断してそれきりになっていました。
油絵は、絵の具の薄め液、
筆洗いの液が空気循環の良くない所では体に良くないとのことで、
室内で描く時、とても嫌がられますが、中断した頃は、その雰囲気が強かったです。
薄め液は臭いがないものを使っている人が多いですが、
臭いがないからといって空気中に広がる事は同じだから関係ないのだそうで。。
その頃は、
パステルも気管にパステルのホコリ(粉)が入るので癌(肺癌)になる
という話も盛んに出ていて、パステルを描くのをやめた人もいました。
パステルはチョークという人もあるように、黒板に書く白墨みたいな物。
描いていると粉がたくさん出ます。それが空気中にも広がるというわけです。
ですから、パステルはマスクにゴム手袋ーーの重装備が理想みたいです。
そんなこんなで、
とにかく油絵とパステルは身体に良くないという感じでした。
室内で描く事 = 人迷惑  という縮図です。

似通った例は何かといいますと、思い当たるのがタバコです。
油絵、パステルをする人は喫煙者のような立場だなあと思ったものです。

とまあこんな事情で、私は水彩画を沢山描くーーという流れになったような気がします。

*******

いつしか、その周囲からの神経質なプレッシャーはなくなり、気付くと、
周りの仲間は好きなように油絵もパステル画も描いています。
室内でも気軽に油絵を描く人が増え、いまでは多数派なのが驚きです。

自由な雰囲気に戻ったとはいえ、身体に良くないという事実は変わりません。
水彩画だって、カドミウムレッド、カドミウムイエローなどありますが、
れっきとしたカドミウムが入っております。
ですから、絵のために使うシンク(流し)は、台所のものは使わない方が良いです。

こういった身体に良くない事については、
一度何かのメディアに取り上げられると、
また周りからいやがられるようになることが目に見えています。
私は、家には学齢期の子供がいますし。。。。
ですから気になります。

でも、周りでまた自由に油絵を描いている様子を見ると、
やっぱりまた油絵を描きたいなぁという気持ちが戻ってきました。

ということで、
今回は水溶性の油絵の具を使っています。
これなら子供が一緒の時でも家で安全に描けるので。
また、油絵お断りみたいなムードにまたなっても、水溶性は嫌われません。
感触が本当の油絵の具と違い、今ひとつ慣れないのですが、ぼちぼちやっています。
実は以前、一度トライしたのですが、感触の違いが気に入らず、遠ざかったのでした。
そして、そのまま、ずいぶん長いこと油絵を描かないでいたので、
今回は「こんなもんだ」という気持ちで始めることができております。

昨日から描き始めた上の絵は今日仕上げる予定。
とにかくたくさん描いて慣れるのが先決です。
自分勝手に好きなように描いているので楽しいです。上手く描けるかは別の話。

下は、再開して描いた油絵です。ライブモデル。
気楽にやっています。

似たものに、アクリル画がありますが、これは乾くのがとてもはやいです。
でも、せっかくついでに、アクリルの方でも遊んでみようかなとも思っています。

Courtney - Live Model at Whitmore Lake
Oil on canvas paper
11" x 14" / 28cm x 36cm
©yoshiko mishina
www.ymishina.com

Randy as a Clown- Live Model at AAWA
oil on canvas paper
12"x15" / 30cm x 38cm 
07/01/15 ©yoshiko mishina
www.ymishina.com
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7/03/2015

ニュースの拾い読みー皮肉な同窓会

アメリカでも、School Reunion、同窓会というのは盛んです。
さて、マイアミの法廷で、裁判官と被告として再会した
ミドルスクールの同窓生同士の事が話題になっていました。

「最高にナイスな生徒だったのに、その後、一体、何があったの?」

被告は、裁判官がかつてのミドルスクール同窓生とわかると、号泣。
盗みに入り、逃走劇を繰り広げ、逮捕に抵抗したという罪でした。

かつて共に遊んだ同窓生同士。彼の罪が殺人といった凶悪な物ではなく、
これから頑張れば、きっと人生をまた取り戻す可能性があるもので良かったです。

しかし、裁判官は女性という所もすごいですね。
女性で裁判官のキャリアは大変です。
被告も含め、ミドルスクール時代、男子とフットボールをして遊んでいたようで、なかなかです。
同窓生ではありますが、
かちっと罪は罪として償わなくてはならない所はしっかり押さえています。
罪は憎んで、人は憎まずという線がはっきり。
ちなみに、彼についたbond (保釈金)は4万3000ドルです。

ビデオを見ると、被告は言われるまで気づかないでいた様子がありあり。
一言、個人的な事ではあるけれど、声をかけておきたかったのでしょうね。

2人とも頑張れ!
下のニュース記事で、その時のやり取りのビデオが見られます。
↓↓
ニュース記事(英語)


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