ここに引っ越して来た2008年から、ミシガン大学の婦人会に入っています。
この婦人会は、昔むかし女性の地位が低く、
社会に表立って出なかった頃に、
教授たちの奥さん達が集まって色々な活動をしたのが始まりです。
今は、こういった会に入らなくても楽しい事は沢山あります。
また、外に出て働いている女性が多いですから
かつてのようにどっさりとメンバーはいません。
今は、リタイアした大学の職員、奥さん達が主流です。
ということで、この中では、いい年ですが「若手」です!
写真を沢山撮っていたので、ここでも専属の記録写真撮影と、
整理を担当していますが、絵のグループにも入っています。
この絵のグループは結構活発で、毎週木曜日に集まりを休みなく持っていますが、
グループの展覧会もしています。
ここ数年、忙しくて絵のグループに参加出来ておらず、
どうしようかなと思ったのですが、絵を描く事に繋がる場は続けなくては!
と、今年は結構がんばって顔を出しています。
でまあ、どういうことになるかというと、
グループ展に出さなくてはいけないわけです。
ここ数年、幽霊部員のような状態でしたから、展覧会に出さないでいました。
でも、今回は、出さないわけにはいきません。
最初の頃は、毎年1回だけグループ展だったのが、
ここ数年、私がお休みしていた間に最低年2回になっています。
この婦人会のグループは、毎回テーマを決めています。
キツい。。。
なぜかというと、
今、手元にある絵で適当に出すというわけにはいかないからです。
今年の夏のテーマは、Farewell to Youth" 青春とのお別れみたいな感じです。
他のメンバーは、若い頃の思い出にちなんだ物をせっせと描いたのですが、
私はへそ曲がりーーというよりズボラなので、
今すぐ参考資料が手に入る物で、無理矢理こじつけて2つ描きました。
******
1つは、昨年の夏に一時帰国した際、
夫の大学時代の恩師の別荘風の素敵なお宅に集まった時に撮った写真。
広々とした縁側の一角です。
夫の恩師は分子生物学の教授でしたから、
集まったのは大学院時代、大学の講師や助教授時代に先生から指導を受けた人たち。
若い頃を振り返ると、話題も感慨も若い頃とかなり違っています。
みな、親になり、指導する側になっています。
そして、育てられる、指導される立場だった頃の自分が、
いかに人の気遣いの中で生きていたかに気付くのです。
皆で訪れた恩師の先生は定年退職後、陶芸家になりました。
長野の山々をパノラマのように見渡せる素敵なお宅に住んでいます。
家の中、広々とした縁側、庭のあちらこちらに先生の作品が置かれていました。
先生はご夫婦共に大学教授で、長いこと単身赴任で別々の暮らしでした。
リタイア後、奥様の強い希望で、先生の故郷の長野の町に今の家を建て、
やっと一緒の暮らしを始めたのですが、
奥様は癌におかされていることがわかり、
ほんの数年で亡くなってしまいました。
先生のご両親は子供の頃離婚し、
自分にとって故郷は苦い思い出の方が多かったそうです。
奥様の強い希望があったからここに家を建てたのに。
そう淡々と語る先生ですが、この長野の町は文化人が多く、とても良い感じです。
滞在中も、ご近所から自家製有機農業の野菜を届けて頂いたりと、
暖かい交流が繰り広げられていました。
先生は、家の周りに居ついている野良猫に餌をあげています。
普段と違い、大人数が押し寄せていたので、
野良猫は当然の事ながら寄り付きません。
おりに触れ、縁側のはずれに置いたキャットフード入りのお皿を見て、
餌を食べに来たか気にしていた様子が印象的でした。
この猫のご飯のお皿も先生の作品です。
私たちが帰った後、早速、戻った事でしょう。
といったようなことで、この絵は、見る人にはテーマとの関連性は分かりませんが、
自分にとっては感慨深い事が沢山含まれています。
"Farewell to Youth"
Our Mentor's Deck --At the School Reunion in Nagano
Medium: Watercolor on Paper
Size: 14"(36cm) x 20"(51cm)
©yoshiko mishina
www.ymishina.com
******
もう1つの絵はーー
モデルスケッチに来ていたモデルさんに、
たまたまお目出度という女性がいました。
母親になるという事も、一つの youth とのお別れ。
ということで、特別に立ち姿で写真を撮らせてもらい、家で描きました。
参考の写真は落としてからヒビが画面に入っていたiPad で撮ったのですが、
絵を描き上げた所で完全に壊れ、画面は真っ黒。完全にお陀仏状態になり、
中の写真もバックアップを取っておかなかった物は全部オジャンになりました。
でも、絵は丁度終わった所なので滑り込みセーフ。
新しく取り替えたiPad は順調です。
ついでに、今回はもっと保護できるタイプのカバーにしました。
iPad で撮った写真も、まめにバックアップを取っておくようにしています。
とまあ、そういった事で、
これもちょっとした思い出の一枚となりました。
ちなみに、このモデルさんは4人目のお子さんを妊娠中。
とっくの昔に青春と決別し、日々大忙しのお母さんです。
「お腹にいる間が一番楽な時期なんだよねー」
とのこと。人って見かけによりませんねー。
Farewell to Youth
Going to Motherhood
Watercolor
12" x 16" / 30.5 cm x 40.6 cm
2014 © yoshiko mishina
www.ymishina.com
長々と書きましたが、
もうすぐ展覧会です。明日は早朝に搬入。
アナーバーの図書館です。
お近くの方、もしよろしかったら、ついでの時にでもお立ち寄り下さい。
******
University of Michigan Faculty Women's Club (FWC) Painting Group
Summer Art Exhibition
Theme "FAREWELL TO YOUTH"
06/16/14 - 07/31/14
Opening Reception
Saturday, 06/21/14. 3 - 5 p.m.
**********************************