うちの猫だった猫、ななチャン。
月曜日は、お隣のベブの引越しの日でした。
これは前の投稿の続きのようなものなので、参考までに。
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うちの猫ーーだった猫ーーお別れ
前の夜遅くに、近所の人たちが訪ねてきて、ワイワイガヤガヤ大騒ぎ。
騒がしいのが嫌い、お客様が嫌いな ななチャン のことが気になりました。
(うちで預かっておいたほうがいいかなあ)
でも、息子の学校の行事などでドタバタしていた私は、
時刻も遅いしで、ついそのままにしてしまいました。
翌朝、訪ねていくと、案の定、ななチャンはすきを狙って逃亡。
一晩中帰らず。
しかも、引越し業者が来て、今度は引越し作業が始まりましたから、
結局、見つからないまま、ベブは新居へと去って行きました。
もちろん、ななチャン捜索と保護は私の役目です。
日が落ちて静かになったころ、ななチャンはいつも戻ります。
この日は、日没の9時ごろに戻ったもよう。
でも、引っ越してだれもいなくなった家は、本当に真っ暗です。
ななチャンは、途方にくれたようです。
何か支障があると、寄り付かなくなったくせに、元飼い主の我が家にこっそり入って来て避難します。
私たちに気付かれないように、こっそり入ってきますから、いつ来てるんだかわかりません。
もしかしたら、引っ越し騒ぎの間、我が家のどこかにひっそり隠れていたのかもしれませんが、
忍者のような猫ですから事実は謎のままです。
それが、なぜこの時にはわかったかというと、
我が家のペットドアから入って来たのを愛チャンがすかさず追いかけ、
逃げて行くのを息子が目撃したのでした。
でまあ、私は真っ暗な中、ベブの家の裏庭でななチャンを呼ぶと、
ミャアミャア鳴き声が聞こえました。
ふだんは返事なんかしませんが、この時はさすがにおかしいと思ったのでしょう。
向こうから近づいては来ませんでしたが、
声をたどって行き着いた私から逃げようとはせず、じっとしていました。
無事、保護できました。
日本を訪問中で空いている娘の部屋に、トイレと餌と、水を置き、ドアを閉めておきました。
ななチャンと遊びたいだけなのに、冷たくされ続けている愛チャンは、
娘の部屋のドアの前にずっと陣取っていました。
動機はさておき、これがななチャンが部屋から逃亡する気持ちにならない見張りの効果になりました。
結局、ずうっと冷たくされっぱなしの愛チャンのままお別れになったのでした。
次の日、ベブはここから1時間半ほどの新居から、ふっとんで迎えに来ました。
ベブの嬉しそうな顔といったら、それはもうでした。本当に良かった。
そして、
ななチャンは、本当にお隣からいなくなりました。
「お母さん、ななチャンもいなくなって、なんだか寂しい」
と、息子がつぶやきました。
ふだん、べつに見かけることなどあまりなかった、愛想もなにもない、元うちの猫ななチャンでしたが、
たしかに、不思議なことに、じーんと胸の中が熱くなりました。
その日の夜、
ゴミを出しに外に出ました。
外に出ると、ベブの家のキッチンの窓が見えます。
でも、その夜は月もなく、外が真っ暗でした。
人が住んでいる家は、たとえ旅行中で留守にしていても、何かしらほのかな光があります。
私たちの暮らす家は、敷地がだだっ広い住宅地なので、街灯も何もありません。
この家に引っ越して来てから8年あまり。
これほど夜が暗いのかーーと感じたことはありませんでした。
ちょっとした光でも、明るく感じていたのだと痛感しました。
トムが世を去り、ベブもななチャンも去り、
じーんと、胸の中に淋しさが広がりました。
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