日本に一時帰国すると、
必ずといっていいくらい読み直す懐かしいマンガが、いくつか実家にあります。
そのうちの1つがこれ。
じつは、アメリカの家にも1セットあるんですが、意外に読む間がない。
アニメにもなっており、
ご存知の方は多い思いますので、内容は簡単に。
「エースをねらえ!」は、何てことない普通の高校生の岡ひろみが、
日本を代表するテニスプレイヤーに育てあげられる、
スポーツ界の「スター誕生!」とも、
「マイ・フェア・レディ」とも言えるような
スポーツ版・シンデレラストーリー。
いつも「エースをねらえ!」を読み返して思うのですが、
登場人物がみ〜んな立派!!
人格が崇高で、そのあたりをウロついている俗世の人間からかけ離れています。
岡ひろみを見いだし、育てた宗方コーチ、
それを引き継いで仕上げた親友の桂コーチ。
岡ひろみを取り巻く、諸先輩高校生たちも、
大人でもこうはいかないというくらい人格が高い!
こと、岡ひろみがテニスを始めるきっかけになった「お蝶夫人」。
普段の生活で、父親を「お父様」と呼んでいる姿に違和感を感じないほど。
「エースをねらえ!」の世界では、とにかく皆、心が美しい。
みんな、こんな風だったら、世の中もっと良くなるんだろうな。
この作品、もちろん、連載していた頃は大人気。
今も変わらずその人気は続いていますが、
その絶える事なき人気の秘密は、そんな所にあるのだと思います。
「人間、みんな、こうあれたらいいな」っていう事ですね。
「エースをねらえ!」を読んでいると、
いつのまにか、その高い人格の世界に自分も入っていけます。
仲間になったような気持ちに自然になれます。
その何ともいえないマインドのマッサージ効果が快感です。
***
作者の山本鈴美香の手記によると、
最初は3か月くらいのスポ根ものということで連載を始めたそう。
でも、たちまち大人気で、とても長い物語になりました。
ですから、よく注意して読むと、3巻目あたりから、物語の乗りが
どんどん高尚な感じに変わっていきます。
山本鈴美香の世界は、「神話」の世界と私は思っています。
神々たちの繰り広げる天上の世界の物語。
連載中、ファンに向けてのコーナーが1ページほどつくようになり、
「おスミさま(作者)」を崇拝する読者の多かった事ったら、
それはもう、すごかったです。
山本鈴美香という漫画家は、当時の「マーガレット」の読者からみると、
とても奇麗で、頼れる感じのお姉様のような存在でした。
が、そのうち、このコーナーには、火の上を素足で歩ける、
神や霊の言葉が聞けるといったような、
人間ばなれしたエピソードが増えていきました。
そんな感じの作者・山本鈴美香が、
「エース」の連載終了後、しばらくして、
物を食べず、お神酒(おみき」だけを飲んで生きているとか、
何かの教祖のようなものになったというニュース記事を読んだのですが、
「ああ、やっぱりね」と思っただけで、全く、驚きませんでした。
「そうか〜、やっぱり作者も天上の世界に昇っちゃったんだな〜」
という感じ。
今も教祖(巫女)として、山梨県で生活しているようです。
「エースをねらえ!」連載終了後、「七つの黄金郷(エルドラド)」をはじめ、
いくつか連載をしていましたが、先に書いたように教祖に転向しましたから、
すべての連載が、途中でたち消えになりました。
「超能力者列伝」というマンガを教団から、当時、「微笑」という、
ちょっとエログロ系色の強い婦人雑誌の別冊として出してます。
「超能力者(エスパー)列伝」
天上の世界の人となった山本鈴美香。
当時のオカルト雑誌「ムー」にも御神託を連載。
いやあ、ホント、型やぶりで、すごい人です。
***
たち消えになった「七つのエルドラド」のほうが、
「エースをねらえ!」より舞台立てが神話の世界に近いです。
漫画家デビューの前、ライフワークの気概で取り組んでいた作品だったらしい。
でも、普通の現代の人間界を舞台にした「エースをねらえ!」の方が、
山本鈴美香の世界の「バイブル」としての完成度は圧倒的に高いです。
作品の中には、沢山の名言、名場面があります。
ざくざく見つかります。
でも、ここではあえて紹介しません。
自分の感性で拾っていくものですからネ。
「エースをねらえ!」は、やはり原作のマンガで読むのが最高。
もし、まだ読んでいない方がいたら、ぜひ読んで下さい。
くちゃくちゃになった自分の心が、
アイロンをかけたようにぴしっと奇麗にのばされ、
「ああ、いい気持ち」
となること請け合いです。
*** ***
アメリカでも「エースをねらえ」が買えるとわかった〜!!
いえ〜い!
懐かしいアニメ(おまけ)
「コートでは〜、誰でもひとりひとりきり〜」
やはりこのオープニング・ソングの方が私は好きです。
ですから古い方。
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私もエースをねらえ大好きです。
返信削除読み返す度に涙がでます。
本当に名言、名場面多いですよね。
そしてその時の自分の状況によって
心に感じるものが違ったりします。
山本鈴美香さん巫女さんになられた
のですね。
他にはどんなマンが読み直しているん
でしょう?
コメントのお返事を返信に書き入れていなかったと今ごろになって気づいたので、念のため再度入れています。ごめんなさい〜〜〜〜。
削除下は前に入れた返信です。
コメントをどうもありがとうございます。今のマンガはあまり読んでいませんが、子供の頃は少年誌も読んでいました。アメリカにもたくさん日本のマンガが翻訳されてきていますが、そのころのマンガはほとんどといっていいくらい知られていません。というわけで、このエースをねらえが連載されていた時代のあたりのマンガが懐かしく、ぼちぼちとブログに書いていくつもりです。今から思うと、興味深いマンガがたくさんありました。「エースをねらえ!」はその第一号。何でも乱読したので、どれと言われても、たまたま実家に残っているものを手に取るという感じですね。今度は何について書こうかな〜。