アメリカでは、半ば冗談、半ば本気で「7月の入院は命取り」と言われています。
この病院とは大学病院の事を指します。
この時期、大学病院では、患者さんの死亡率が上がるものと言われています。
嘘かと思ったら、データを見ると、あながち嘘でもない事実があったりします。
なぜでしょう?
アメリカの学校は夏休みを挟んで学年が変わります。
大抵の学校が6月に終わります。
大学も同様で、5月末から6月の初旬に終わります。
医学部の学生さんも卒業します。
そして7月からレジデント(研修医)として病院デビューします。
大学病院は、普通の病院ではありません。
医療活動の他に、研究、そして医者の養成をするための教育活動
この3つが大学病院の仕事です。
医学部を卒業するのはとても難関で、優秀な人達ですが、
初めての病院での研修は、右も左も分からない荒野に出たようなもの。
でも、病人や怪我人はワンサカ。
新人だからと言ってスローダウンしてはくれません。
未経験で判断力がまだ育っていないドクターたち。
でも、病院はがっちりした階級制度というのか、役割分担があって、
経験豊富で判断力に優れた看護婦などのスタッフでも
現場を知らないドクターが指示した通りに動かなくてはなりません。
もちろん、経験豊富なドクターたちがフォローすべく体制はどこも作っています。
でも人の生き死には24時間営業の世界。
誰もサポート出来ない空白の時間は幾らでも出て来るのです。
そんなこんなで、病院の医療活動での判断ミスが増えてしまうーーという図式です。
これを"July Effect" と言います。
7月に入ると、"July Effect" の記事(コラム)やブログ記事を見かけます。
ベテランのドクターが自分がレジデントだった頃の冷や汗体験、
ベテラン看護婦の7月のストレス。などなど。
夫が大学勤務で医学部とオーバーラップする分野なので、
大学病院のシステムには昔からけっこう親しみがあります。
ですから今さら「キャ〜キャ〜」とは思いませんが、
アメリカの大学病院の中で人間ドラマが起こりがちな7月。
この事は覚えておいて損はないと思います。
日本は3月末卒業ですが、日本の大学病院ではどうなんでしょうね。
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下にいくつかコラム、ブログのリンクを載せました。(英語)
けっこう面白いです。
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