7/18/2014

絵を描く生活 - 小さな町シリーズ ・ミシガン州 マンチェスター (Manchester Michigan USA)

絵を始めて5年目に突入です。1つの節目といった所です。
絵を始めて1年ほどしてから、あちこちの描く集まりに入っています。
最初は知らない人ばかりだったのが、いつの間にか知り合いが沢山増えました。
皆、大抵絵から印象を持って仲間の事を覚えるので、
地元のコンペティションにせっせと出し続けたのが良かったと思います。
5月の写生の集まりーマンチェスターのダウンタウン。
さて、
写生の集まりには入って丸3年くらいになりますが、
これはお天気に左右されるのでなかなか大変です。
ーープラス、外で描くのにまだまだ慣れていません。
でも、仲間と集まってめいめいが描くという場がとても好きなので、
私にとって大切なグループの1つです。

ところで、
絵はプロジェクトを自分でいくつか決めて
強制的に同じような物をまとめて描くようにしています。
例えば私は、人物の顔、動物、人物の全身、空と道、風景画を何種かと
静物画、花などなど。
美大出身ではないですから、私は基本的な実習を経験していません。
ですから好むと好まざるにかかわらず、
いろいろな物を描かざるを得ないようにプロジェクトの範囲を広くしています。
自分でプログラムを作って自分で実習しているという感じです。

描く物を決める時、行き当たりばったりで決めていると
なかなか描くのが楽になっていきません。
初めての町を、地図を見い見い訪ねたのと同じような感じで終わります。
つまり表面をなでただけ。
そこでやめたらそれっきりです。

大先輩のアーティストのアドバイスは、
要領をつかんだと思うまで同じモチーフを描き続ける事。
すごい方たちの1枚の絵の背後には、
たくさんの同じ素材を描いた経験がしっかりあります。
ですから、
最初からいいものを描きたいなんて考えは捨てております。

何度も同じような物を描いていると、
また、前の例えに戻りますが、
最初はおそるおそる地図を見い見いだった所が、
何度も訪れているうちに、
地図なしであちこち行けるようになり、顔見知りも出来て見所もわかりーー。
と身近になっていく感覚に近くなります。
そうなったらそのモチーフは
そこそこ自分の絵として描けるようになったという事でしょう。

絵を描くのは手先の作業です。
ですが、何度も同じものを描いているうち
じつは対象の見方もとても重要だということがわかってきました。
個人的に90%近くを占めると思っています。

このようなわけで、
絵を始めて良かったと思うのは、
周りにある当たり前の物の見方ががらりと変わった事に気づいた時です。

あと、自分が描きたいスタイルもだんだんわかってきました。
どんな風に仕上げたいかというイメージを持つこと。
これはとても大切な事です。
目的地がない旅は永遠にどこにも行きつけません。

とにかく上手に描きたい、パーフェクトに描きたいだけでは困ってしまいます。
素晴らしい絵は世の中にゴマンとあり、
実に様々なスタイルがあります。
その中で自分がどう描きたいかを見つける事、
そしてそれに追いつく目と技術を持つことは至難の技とも言えます。

今は基本を大切にして描くようにしていますが、
だんだん物の見方や考え方などがつかめてきたら、
抽象画にも挑戦できるかも、と思っています。
何時になるやら。
******

ということで、前置きがまたまた長くなりましたが、
当然の事ながら
この写生がらみのプロジェクトも1つ作っています。
「小さな町シリーズ」というもので、1つの町につき
カレンダーじゃないですが最低12枚を描くのが目標です。
建物、建物なし、空と道、人物入り、遠景、近景、水のある風景と
中でまたジャンル分けして描くようにもしています。

ですから、現地に行くと必ず写真を沢山撮ります。
色々な場面が必要だからです。

細々、ノロノロとプロジェクトは進行しております。
忘れた頃に描いているという感じ。。。いかん!

この夏はこと、集まりの日に限って雨が多く、延期ばかり。
延期した日が私の都合が悪く、とても残念です。
5月のManchester (マンチェスター)という
わが家から30分ほどの所であった写生の集まりでは、
私が午後一で娘のための用事があった事と、
車に荷物を沢山乗せないといけない事もあって、
写真だけ撮りに午前中だけ行く事にしました。
娘も一緒です。

集合場所は、マンチェスターの顔ともいえる
Manchester Mill の傍らの駐車場です。

http://www.michigan.org/property/manchester-mill/


朝からずっしりと重そうな灰色の雲が空いっぱいで
今にも雨が降りそうだった事もあり、
コーディネーターの2人しか来ていませんでした。
写生では光線の関係もとても大切ですから、
曇りの日は光と蔭のコントラストがつかみにく、難しいのです。
ですからこういった日は集まりが悪いです。
でも、コーディネーターは私の友達。
集まりが悪いとガッカリします。
へこむといけませんから、
天候の悪い日はことさらガンバって行ってます。
彼女たちの存在はいつも私の励みになっていますから、行かなくちゃ!
てな感じです。

コーディネーターの1人。ナンシーが描いています。

せっかくマンチェスターに娘と来たので、
Manchester Mill を覗いてみることにしました。
For Sale by Owner という看板が気になる。。。
Mill を手放すのかな? ぶしつけだから聞けなかったけど。


ドアを開けると中はお店になっていました。

Manchester Mill はHistoric Building で保存の対象ですが、
個人所有とのことです。下のおじさんがオーナー。
トコトコと寄って来て、親切に色々説明してくれました。



この建物の中は小さな子供が’対象のチャイルドケア(保育園)、
近隣の住民が寄付した古着や不要品を売るお店が前面に入っています。
オフィスとして他の部屋も貸し出しているようです。


1階のお店で売れた収益は
地域の子供たちの教育や生活保護に寄付されるのだそうです。
http://manchestermill.com/worthrepeating/index.html


Manchester Mill のモデル
チャイルドケアの一角のようです。
窓からの風景。Mill ですから当然、川のほとり。絵に描こうかな〜。

ということで、娘はManchester Mill の中のショップと、
ダウンタウンのお店をブラブラと覗いて歩き、
私はその間、あちこちを歩き回って
絵の参考にするための写真を撮りました。

昼近くになると、いよいよ雲行きが怪しくなり、
皆、昼ちょっと前に道具をたたみました。
「せっかくだから一緒にランチを食べて解散しよう」
ということで、Manchester Mill の向かいにある小さなカフェに入りました。

サンドイッチはパンを選べます。これはプレッツエルのパン。

コーディネーターのナンシーとスー2人と私と娘。
この4人でしたから、おしゃべりには調度よく、
ランチを取りながら、久しぶりにゆっくりできました。
少人数の時の話題はかなり打ち解けたもので、
お互いをよく知り合うのにとても良いです。

とまあ、このように多人数の時も少人数のときも、
それぞれ違った楽しさがありますから、描く集まりはやめられません。

私たちがランチを終ってお店を出る時、
ドドーン、ゴロゴロという轟音とともに大雨が降り始めました。

****

この時に撮った写真からいくつか描いています。
下は第一号のManchester Mill.
この絵ではマスキング液を必要以上に使って使い勝手も見ていますから、
やたら白抜きの所ができています。
とっっっっってもはがす作業が大変でした。
ラバーセメントという消しゴムのようなものをゴシゴシ。
ゴミは出るわ、腕は疲れるわ。
(その反動で下書きもマスキングもなしの絵を数枚、同時進行で描いています)



完成品。
人物は、Manchester Mill のオーナーです。
(上の方のスナップ写真に写っています)
私のスタイルはこんな感じで、水をたっぷり使う描き方。
いかがでしょう?

The Manchester Mill
-Manchester Michigan-
14"x20" / 36cm x 51cm
Watercolor
07/02/14
©yoshiko mishina
www.ymishina.com
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Manchester, Michigan USA
http://en.wikipedia.org/wiki/Manchester,_Michigan


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