12/05/2012

Modern Days Hermits「日本と外国における現代のひきこもり」レクチャー ミシ ガン大学・日本研究センター11/09/12

少し前の投稿で紹介した、ミシガン大学での
「ひきこもり」のレクチャーに行って来ました。
(投稿がかなり遅れてしまいました。。。)



アナーバーのダウンタウンは駐車場が難物。
駐車ビルの場合、わたしはいつも一気に最上階に行きます。
必ず空きがあるし、どこに停めたかも覚えていやすいからです。
ところか、今回、前の車の人が、
ゆ〜〜〜〜っくりと空きを探しながら登って行く人だったため、
最上階の青空駐車場まで到着した時は、
時間ギリギリ。


土曜日の夜にある映画の無料上映会の方は残念ながら行けませんでした。
制作スタッフが来ていたというのに、本当に残念。
もちろん、このレクチャーも聞きに来ていましたが、
お話を聞けたわけではなかったし。。。
企画については、前回の投稿ご参照下さい。(日本語)




スピーカーのテオ先生の紹介フライヤー
日本でも研究されたので、日本語がとても上手です。

アラン・テオ先生のミシガン大学でのプロフィール(英語)



部屋に到着したときは、すでにビッシリと人が座り、
部屋からもあふれていました。
------ということでわたしは床に座って拝聴。


アラン・テオ先生が登場。
「ひきこもり」について、わかりやすく説明して下さいました。
「ひきこもり」は hikikomori と、
すでに権威ある辞書に載っているくらいポピュラーになっているようです。
でも、Modern Days Hermits (現代のヤドカリ)という表現、
いい得て妙だと思いました。

アメリカの社会ですと、引きこもる状況はお年寄りに多いのが一般的です。
いつも夫婦単位で動くせいなのか、
連れ合いに先立たれたりした場合、離婚などがきっかけです。
そのせいか、アメリカではお年寄り、
リタイアした人たちの社会参加の場が沢山あります。

一般的に若い人が引きこもるということが、
ここアメリカでは、いまひとつピンと来ない人の方が多いようですが、
確実に引きこもりの事例が、
アメリカの若い世代でも出て来ているそうです。
もちろん、ヨーロッパ諸国でもです。

テオ先生と


テオ先生は、ひきこもりについて、
ピュアな(純粋な)ひきこもり」を、意識的に区別しています。
何の精神疾患(たとえば鬱病、統合失調症など)、
発達障害(自閉症など)といった、問題にあてはまらないのに、
社会(学校、仕事、人との交流)に出て行く事をやめ、
部屋に閉じこもってしまう人たち。

会うのは家族だけ。
ひどい場合は、家族ともなるべく顔を合わせないようにします。

このような状態が6か月以上続いた場合、
「ひきこもり」と断定されます。


日本では若い世代の1パーセント近くが「ひきこもり」を経験しているらしいです。
若い世代ー学び盛り、働き盛りに集中していますから、
日本の社会にとって大きな痛手です。

男性:女性の割合が、4:1。
圧倒的に男性が多いです。

家族も「ひきこもり」を抱えると地獄です。
扶養家族のままですから、長引くと、一生面倒を見続けなくてはいけません。
高齢化した親が引きこもったまま中高年になった子供を支えています。
アメリカでも、親が生活費を送金している例があるようです。

精神科のお医者様ですから、治療が最終目的ですが、
この、現時点では何ものか原因不明の状態の「ピュアなひきこもり」について、
はっきりした原因をつきとめたいという意欲に燃えています。
(原因がわかれば、治療も一気に進みます)

会場には、ひきこもりの甥ごさんを心配して来場したアメリカ人女性がいました。
確かに、テオ先生のいう「ピュアなひきこもり」に
ピッタリあてはまるような感じでした。
テオ先生に、診察してほしそうでしたが、
少し、先生の顔が曇りました。

アメリカの医療では保険制度の問題があります。
まだ、はっきり病気とされていない「ピュアなひきこもり」は、
保険がカバーしないようです。(つまり医療費が高額)
「研究のための事例として協力という形で、何とかできないか?」
と、その女性は食い下がります。必死です。

もし、ひきこもりがはっきりした物として医学界で認められれば、
保険でもカバーされる道が開けるかもしれません。

テオ先生がおっしゃるには、
ピュアな引きこもりの人たちが社会に出て行くには、
毎日、少しずつ、少しずつ、小さな目標を決め、
達成していくのがいいのだそうです。
そして、何よりも大切なのは、
早いうちに脱ひきこもりの努力を始める事。
長引けば、長引くほど難しくなるようです。

まだまだ沢山、興味深いお話がありましたが、
全部書けなくて残念です。
レクチャーが終わった後も、
親切に質問に答えて下さいました。

テオ先生、頑張って下さい。


テオ先生の講演会で紹介されたリンクです。
北海道での活動です。


**********************************その他資料***********************************
(今回のレクチャーからではありません)

ビデオーHikikomori

わが国における「ひきこもり」の実態と関連要因:世界精神保健日本調査から(2010年)
川上憲人 東京大学大学院医学系研究科教授
厚生労働省ひきこもり対策推進事業
ひきこもり支援センター設置状況リスト(日本/2012年)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/dl/hikikomori05.pdf
ニートひきこもりJournal



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