8/12/2012

コロラド映画館銃乱射事件ーマシンガンを一般人がネットで購入できる国、アメリカ



7月下旬、コロラド州のオーロラという町の映画館で、マシンガンの乱射事件がありました。12人が死亡、負傷者58人。
バットマンのシリーズの最新作 Dark Knight (ダークナイト)という映画のプレミアショーのまっ最中でした。チケット売り切れの満席。劇場は大パニックに陥りました。
犯人はすぐに逮捕されましたが、髪を真っ赤に染めており、「おれはジョーカー(バットマンシリーズの悪役)だ」と名乗ったのだそうです。

犯人の名前も、逮捕から数時間後に確認されました。 ジェームス ホームズ (James Holmes)。コロラド大学の医学部の博士課程の学生で、エリート中のエリート。でも、事件の少し前に、コースから退学の手続きを済ませていたようです。
James Holmes
Source: news.yahoo.com via Yoshiko on Pinterest

ホームズは、すぐに逮捕されましたが、アパートにも爆発物の罠をしかけてある事が発覚。爆発物取り扱いのチームが駆けつけ、無事、爆発物は撤去されました。この罠は、ベトナム戦争の頃によく仕掛けられた、ワイヤーにひっかかると爆発するという爆発物を使った罠。ホームズはアパートの部屋にカギをかけず、大音響で音楽をかけっぱなしで犯行に向かいましたが、音があまりにうるさいのでクレームを言いに行った下の住人が、もし、彼の部屋の中に足を踏み込んでいたらドカン、だったようです。恐ろしい。

さらに、ホームズは、自分の大学の精神科医の治療を受けていたことが、すぐに明らかになりました。また、彼は自分の映画館での殺戮計画についての細かな計画を書いたノートを、この精神科医に送っており、確か事件の直後だったと思いますが、医師の元に届きました。

後のニュースですと、6月の初旬に、この精神科医は、ホームズの事を「人に危害を加える危険性大の要注意人物」と大学の特別チーム(BETAチームと言うのだそう)に連絡し、マークを始めていたようです。

が、不幸なことに、ホームズは大学をやめる手続きをしてしまいました。彼が大学の人間でなくなると、大学関係機関は、強引な手出しができなくなってしまうのです。ほんの少しの間、すき間時間のようなものができてしまいました。
事件は早速、その間に起こっています。
事件が起こった日、警察からの連絡に対し、ホームズの母親が「事件の犯人に間違いない相手を逮捕した」といった内容のコメントをしたと報道されています。
カリフォルニアにいる家族も、息子がおかしくなっていることに十分気づいていたようです。


法廷でのホームズ
ちょっと目つきがおかしい

コロラド州では、コロンバインという高校 (Columbine High School)でも、1999年に生徒2人による乱射事件があり、12名(教師、生徒)の死者を出しています。高校生の犯人2人は自殺しましたが、未成年の高校生の代わりにgun show (銃のフェアのようなもの)で銃を買った大人がいたことがわかり、逮捕され、処罰されています。

なぜ、私がこれらの事件の事を書いているかというと、近所に住む友人の姪ごさんが、コロンバインに事件当時通っていたうえ、娘さんとその夫(義理の息子)が、ホームズと同じコースで学んでいた経験があるからです。

友人の娘さんいわく、あのコースに入っているメンバーは、小さい頃から上位中の上位でやってきた学生ばかり。でも、優秀プラス、自分の勉強している分野に本当にすべてをかけるくらいの情熱があるかを試される場なので、ただ優秀というだけでは超えられないカベがある事を思い知らされるとか。彼女の場合、結婚した相手(現在ミシガン大学医学部教授)の方は情熱たっぷりでしたが、自分には彼ほどの情熱がないと気づいたとのことで、方向転換しています。「ホームズは、ここで自分がはじけてしまったのだろう」とのこと。でも、何もここまでおかしくならなくとも。。。

コロラド州では、この映画館の事件の後、銃の売り上げが異常に伸びています。銃を持つ事を禁止する法律ができるのではないかという危惧が、買い占め行動の動機のようです。コロンバイン高校での事件の後、コロラド州では、ガンショー gun show(銃の販売会のようなもの)で、銃を購入するときの基準を厳しくし、バックグラウンドチェックするようになったそうです。が、今回の犯人ホームズは、前科は何もなしのクリーン。初犯でドカン。また、大量の武器をネットで購入しています。

アメリカは、銃愛好家の団体の政治力が強く、どんなに悲惨な事件が起こっても、アメリカで市民が銃を持つ事を禁止する法律は、ほとんど政治家にとって難しいようです。

ただ、友人も言っていますが、なぜ、連射ができるような銃を一般にも販売しているのか、そこが解せません。狩猟愛好家が、猟銃を持ちたいという気持ちは理解はできます。でも、この場合、銃の種類が全く違います。護身用? まさかマフィアじゃあるまいし。マシンガンのように連射するような銃は、戦場のような「殺戮(さつりく)が目的」です。狩猟や一般の護身用では決してありません。

ネットで戦場の兵士のような武器が買える国、アメリカーーー恐ろしい。

**********************参照サイト(英語)**********************
huffingtonpost.com
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ありがとうございました!


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