3/27/2014

遠い歳時記 <お彼岸>

アメリカに長く住んでいると、日本の歳時記が遠くなります。
その中でも本当に「こよみ」を感じる事が難しい歳時記の一つにお彼岸があります。
ご承知の通り、お彼岸は春と秋の2回あり、
春分の日、秋分の日を真ん中に挟んで前後3日ずつです。
今年、2014年の春分の日は3月21日でしたから、
3月18日が彼岸入り、3月24日が彼岸明けでした。

おはぎ(ぼたもち)がポピュラーですが、
息子は甘くしてたべるもち系が嫌いなので空しい。。。
甘くした豆(あずきなど)、きな粉が嫌い。
精進料理も、まず炊き込みご飯が嫌い。あれも嫌い、これも嫌い。



何よりも大変なのは、お参りに行くお墓が身近にない!
仏壇もない。

アメリカで生まれ、育っている息子と娘がいますが、
本当に日本の歳時記について身に付いていません。
ちゃんと教えてらっしゃるお宅はありますが、Not me です。
頭の中で、ああああ、ちゃんとやんなきゃな〜、と思うのですが、
体がついていかない。

我が家はずっと海外なので、お墓参りとなるとなかなか行けません。
一時帰国した時に行っていますが、お彼岸、お盆といった
お墓参りシーズンに日本にいる事はまれです。
日本に住んでいる人もお墓から離れて住んでいる方たちは大変!

そういうご時世なのか、お墓参りの代行もしっかりビジネスになっています。
お寺でもやってくれる所があります。
もちのろんろん有料です。


例:下関の便利屋さん 作業代行センター
*墓参り代行 



日本のお墓、墓参り、法事といったシステムは、
元々、お寺が確実な定収入を得るために始まったとどこかで読んだ事があります。
3回忌、7回忌といった事も確かそう。
お墓参りに行けないと、自動的に罪の意識を感じてしまう日本人です。。。



アメリカのお墓はシステムが日本と違います。
人生の折り返し地点をとっくに超えた私は、
けっこう真面目に周りのアメリカ人の友達に
お墓のシステムを聞いたりしております。

アメリカでは遺体を焼かず、映画「おくりびと」ではないですが、
遺体を奇麗にして、
ドラキュラが出てくるあのタイプーー
等身大の棺におさめて埋葬する方がスタンダードです。
こうやって埋葬することが正式な”Buried” みたいです。
棺におさめる遺体はかなりしっかりと奇麗にしますが、
これをembalming と言います。
興味のある方は、embalming で検索して下さい。
棺に入った遺体の写真がざくざく出て来ます。

火葬してもらう事をCrimate (クリメイト)と言います。

棺が高い、面積が必要、などなど様々な理由で、
周りのアメリカ人のお年寄りには、
日本のように火葬して壺に入れてもらう、
灰を(一部か全部か知らないけど)どこかにまいてもらう
といった事を希望する人も出て来るようになりました。

とはいえ、
お子さんたちから難色を示されているという人はけっこういます。
アメリカでは正式な埋葬は「きちんと棺に入れて」という事なのでしょう。

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私の周りのお年寄り友達は、みなさん元気ですが、
しっかり遺書を用意しています。
若いうちからでも家庭を持ったら遺書をきちんと用意しておく事が理想
というアメリカ社会だからです。

もちろん、我が家も遺書を用意しています。
資産の分配のことはもちろんですが、
死んでしまった後、意識不明になった時、
身内でも判断しかねる事も書いておくのです。

また、医療現場では、患者ははっきりと状況を知らされます。
あと何か月とか、何年といった事で自分の埋葬の事について
自分で考える方も多いです。
骨壺、棺など、自分で選んだ人を何人か知っています。

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私はどうするだろうか?
多分、自分で決められる事は自分で決めるのではないかと思います。

じつは7年ほど前、自分の寿命があと少し___
という時期を1年ほど過ごしたことがあります。
その時、動ける間に、頭がしっかりしている間に、
そう思って、いろいろな事を考え、決めるのにとても忙しかったからです。
ものすごい集中力で色々な事を考えていたのを覚えています。

幸いな事に、「あと少し」が延びました。

この時、
人生に限りがあるということ
1回きりだという事を
言葉ではなく、骨身にしみて、理解できたので良かったです。

とはいえ、強い治療で体がかなり痛めつけられました。
頭の回転もかなりガクッと悪くなりました。
(単にトシのせいかも。。。)
愕然としました。
そこへ全く関係ないですが、足を複雑骨折のおまけ付き。
元通りになりませんでした。
追い打ちをかけるように腰の骨にヒビ。。。

おかげさまで、お年寄りがなぜあのように体を動かすのか?
という事情がよくわかるようになりました。
痛い、固い、などで自由がきかないからなんですね。

今の私です。

目がよく見えないと思ったら、白内障になっている事がわかり、
両目を手術しました。薬の副作用です。

とまあ、あれやこれや、ガタピシ。どっと老け込みました。

こういった自分の変化を受け入れるのに、
とても抵抗がありました。

5年前、ふとした思いつきから絵を始めて、
自由に動かなくなった身体を
思い切り動かしている感覚に戻れる事に気づきました。
よく人から「頑張るねえ」と言われますが、努力しているというより、
描かずにいられないのです。

思い通りにいかないと、とっっってもイラっと来ますが、
それもまた生きてるって事ですね〜。
たどり着きたい目標値は遠いですが、進んでいけます。

話がずいぶんそれた気がしますが、
秋にはお彼岸の精進料理、頑張りたいと思います!

近所の墓地に写生に行った時の絵。
地元の戦没者のためにたてられた像
www.ymishina.com


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お彼岸の精進料理



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